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葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま  このブログのシステムもよく理解できぬまま、 勢いで始めてしまったブログ。
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人生に幾度も訪ふ 終わりなら 君想ひしは その幾度目か


「すきです
 でも もうおわり
  かもしれない
BYE-BYE 」


放課後、この壁のある狭い路地にふと立ち止まり
壁に想いをぶつけた彼女。

あのひとが好きな自分がいる
でももう終わりを感じている自分もここにいる

アタシハココニヰル



ピラミッドに落書きを遺したカエサルのローマ兵。
アンコールワットの壁に名を記した日本の侍。
君たちの名前を記した石碑を遺すと主人公から言われ、奮い立った
映画「敦煌」の兵士たち。

太陽系外で孤独な旅を続けるNASAの探査機
「パイオニア」「ボイジャー」に託された、人類のメッセージ。

我、ここに在り。

我々は、ただそれを伝えんがために生きているのです。



さて、この落書きがあったのは
前回の記事の「あぶらた小路」の、白いほうの壁。
最初は眉をしかめました。

でも、コンクリにペンキで描かれているわけでもないこの落書きたちは、
見ているうちになんだか可愛くも思えてきまして。

壁の所有者の方、ごめんなさい。



さあ、これを描いた(たぶん)女子よ。
次の想いは、道端の壁ではなく、
カンバスとか、原稿用紙とか、フィルムとか、五線譜とか、
そんなものにぶつけてみよう。

きっと次の「終わり」は、もっと素敵になるよ。
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あぶらたの蔵の小路に風は吹く 白黒変わる 時代を越えて


松本城裏手から信州大学付近にかけての一帯には、古い住宅街が広がっています。
江戸時代の武家屋敷の門構えが残っている家もあると聞きます。

もちろん、現代風の建物もたくさんあるのですが、
道の狭さと緑の多さ、
そしてまだまだ現役の蔵作りの建物たちが、
このあたりの町並みに、雅味を添えています。

そんな風情のあるこの地区ですが
その一角に、この小路はありました。
入り口に小路の名を記した石柱が立っています。

「常法寺小路」

石柱は、江戸時代の古い町名を今に伝えようと、近年設置されたものです。
おかげで、現代の町並みの中に、ひょっこりと顔を出している
江戸時代に気付くことができます。
お散歩好きにはうれしい配慮。
松本市の粋な計らいです。

それによると、この常法寺小路、入り口にある家の屋号をとって
別名「あぶらた小路」とも呼ばれていたそうです。
漢字で書くと「油太小路」
丁稚どんが油売ってるようなイメージがあって、なかなか気に入っています。

さて、小路にはいると、片側の黒壁の土蔵に圧倒されます。
小路に向かって開いている窓の列が、
黒壁の重厚感のために、昔の戦艦の舷側砲門のようにも見えてきます。

そして、小路の反対側の蔵は、白漆喰のなまこ壁。
この対称さが、あぶらた小路を忘れがたいものにしてくれていました。

でも実は、入り口にある蔵は、
松本の街中ではあまりみかけない、土壁の土蔵で、
わずか数十メートルの長さとはいえ、
3種類の壁が並ぶ、なんとも贅沢な空間なのでした。



撮影を終えて帰ろうかというときに聞いた、
通りがかりの高校生たちの会話。

「おれ、卒業したら一人暮らしして、マンションに住みたいな」

それもまた、時代。
前回に引き続き、サトイモ科テンナンショウ属のお話。

さて、前回の記事に関して
素っ頓狂な印度旅行記が楽しいブログ
「おばちゃん@インディア」を運営されているあきこさんから
こんな質問をいただきました。

「ところで、雌花(状態)に入って閉じ込められた虫は、
雌花の養分になるのですか? それとも、単に無駄死にするのですか?」

・・・恐ろしいことを聞いてこられるものです。
実はワタクシとしても疑問に思わなくもなかったのですが、
その先を考えるのが恐ろしく、有耶無耶にしていた件でした、それは。

でも、ま、正面切って聞かれちゃしょうがない。腹を括って調べてみました。

順を追ってお話しましょう。
サトイモ科の花の場合、たとえば水芭蕉の白い部分などは、花ではなく、
仏炎苞とよばれるもので、花自体は、仏炎苞に包まれた、
花序と呼ばれる柱状のものに付いています。

前回の記事のマムシグサの画像をご参照ください。

マムシグサの場合、花序は、緑色の筒型の仏炎苞に包まれた形になっています。
その花序の上部には花はなく、下部にあるのですが、
マムシグサの発する臭いに誘われてやってきた虫たち(主にハエ類)は、
この下部の花のところに達するわけです。
(この臭いは、キノコのそれを模したものだそうです)

ところで、マムシグサの花序の柱には、中ほどに膨らみがあります。
このふくらみより下に花が付いているわけです。
このふくらみが、ちょうど「ねずみ返し」の役割を果たし、
下部に達したハエたちの、上方への脱出を妨げているわけですね。

運よくそれが雄花だったら、ハエさんたちは下部の穴から脱出できるわけですが、
雌花だった場合、哀れハエさんたちは、仏炎苞と花との狭い隙間を、
死ぬまではいずりまわることになります。

からだに花粉をつけた昆虫が、このような振る舞いをすることで、
仏炎苞中の雌花には、まんべんなく花粉がすりつけられることになるわけです。

そして、実が熟してくると、仏炎苞は剥がれおちますが、
顕わになった実の表面には、ハエさんたちの無残な姿が・・・。
どうやら喰われるわけでもないようで・・・。

まあ、人により感じ方はあるかと思いますが、
交尾後に食われてしまうカマキリのオスの方が、まだ救いがあるかなと。

人間で言えば、おいしい話に騙されて、
手を出した女が、運悪くヤクザの情婦で、身ぐるみはがされた上、監禁されて、
重労働させられながら、じわじわ死んでいくようなもんで、
死体は多摩川の河口にでも投げ捨てられて・・・。
これを犬死にと言わずして、何と言うべきか。

あきこさん、はっきり言います。奴らは犬死にです。 
ハエの犬死に。

・・・あ、みなさん、ハエのなれの果ての画像は、グロいので検索しないように。




気をとりなおして、調べている間に見つけた素敵なお花のご紹介。

「スマトラオオコンニャク」

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
数年に一度、2日間のみ咲くという、熱帯雨林の花。
花の全高は3mに達するものもあるそうで、
強烈な死臭を発して甲虫類を呼び寄せ、
受粉させた後は、ヤクザなテンナンショウ属と違って、
ちゃんと虫たちを解放してあげるという
なんとも、癒し系なお花なのです・・・。

・・・もうなんか、癒し系とか、言葉の適用基準がよくわからなくなってきたよ。



それにしても
今回のテンナンショウフィーバーで、
植物たちが、いかに図太く、逞しく生きているか、再確認させられましたが、
でも、考えてみれば、我々ニンゲン様たちだって、
生きていく為、だけの理由をはるかに超えて、
ずいぶんエゲツないことやってるもんです。

花の振り見て我が振り直せ

いろいろと身につまされてくるというものです。


頬寄せて 君愛でし花 世に在るは 其が利を追いし 知恵の果てなり
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天南に シュバルツシルトの花開く 我 蟲となり 永遠に落ち行く


今、職場で「サトイモ科テンナンショウ属」がアツイのです。

きっかけは、この季節になると
そこかしこに花をさかせる「マムシグサ」でした。
やがて
自宅に毒草の花園を持つという、多肉植物オタクのKが
同属の「ウラシマソウ」や「ユキモチソウ」の話を始め
そして、上高地固有種の「カミコウチテンナンショウ」に話題は移り

そうこうしているうちに
当館の料理長が、それを目撃したという情報を得て、彼を事情聴取。
もしなんならその場所に連れて行ってやる
とのお言葉に
ついにマネージャーから、ワタクシに現場確認の特命が下ったのでした。

・・・ええ、ヒマですよ、そうですよ。そんなもんです、この時期なんて。

で、連れて行ってもらった場所。
半端でなくマニアックな場所で、半端でなく険しいルートでした。
わずか15分ほどの登りでしたが、
着いた時には正直ほっとしました。

残念ながら花は萎れていましたが・・・
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多分、これが絶滅危惧種といわれる、「上高地天南星」の姿(だと思う)

さて

冒頭の画像は、同じテンナンショウ属の「マムシグサ」。
この花の茎の下の方が、マダラ模様になっておりまして、
なかなかいい感じにキモチワルイのです。

さらに
以下はテンナンショウ属に共通の特徴ですが
秋になると茎のてっぺんに、短いトウモロコシのような感じの実をつけます。
トウモロコシの粒々が、どぎつい赤色になった様を想像してみてください。
血のような赤色のブツブツがびっしり・・・。

どうです?

さらにさらに
こやつら、性転換します。
その土壌の栄養状態によって、雄花になったり雌花になったり。

もひとつおまけに
雄花(状態)の筒の中に入った虫は、底に開いた穴より脱出できるのですが
雌花(状態)に入った虫は、閉じ込められて、花と運命を共にするのです。
虫にとっては厄介極まりないブラックホールです。

花気味悪し、実も禍々し、生き方も忌わし・・・

そんな三拍子そろった愉快なテンナンショウ「族」たち
あなたの周りにもきっといるはず・・・。



「シュバルツシルト半径」とは、ブラックホールに近づいた物質が、
引力に逆らえなくなり、脱出が不可能になる範囲の名前です。
人生の場合、シュバルツシルトのことを「結婚」と呼びます。
言葉の嘘 嘘の罪咎 鈍色の空に訊ねし 夏至の夕暮れ


タイミングを逃してしまった夏至の詩です。
突然、宿舎の無線LANがおかしくなってしまった関係で
ネットに接続できず
ようやく、松本の我が家からUPできた次第。



夏、至ったころから、だんだんと暑くなってゆくこの国。
でも地球と太陽との関係とか、
そんな知識が身につくと、まあそれはそれとして納得するわけですが
でもそれって、オトナの納得なわけで
納得したところで、語感と実感との不一致が解消するわけでなし。

第一、夏っていえば、夏休み西瓜青空蝉時雨って、相場が決まってるもんで、
夏至の頃って、梅雨真っ只中で、下手すりゃ寒いくらい
ガクセーサンにしてみても、夏休みすらまだまだ先。
その前にテストもあるしね。



まーそんなへりくつこねとらんで
くーきよめや、くーき。

とまあ、そんな空気が染み付いているこの国には
お似合いの矛盾なのかなあ。



なになに
夏至とは
「ここで夏が至る」
わけでなく
「これより夏に至る」
と、理解すれば良いとな。

・・・オトナの解釈ですな。
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