しったかぶりっだ

森の奥に　早　二輪草は　咲いてゐる　見てきた如く　語る者居り

はああ、ようやくＧＷが終わりました。
忙しかった・・・。

ＧＷ、ガンバレワタクシの略。

まあ、くだらんことはともかく

基本朝８時から夜８時まで勤務のワタクシとしましては
明るいうちに日の光を拝むことがない
っていうのは言いすぎですが

上高地散策の機会なんて、ほんのちょっとしかないわけですよ。

でもお客さまは、上高地に住んでいるんなら、当然アンタ、エキスパートでしょ
みたいな質問を投げかけてこられたりします。

あン？　こんな生活でどうやってアンタたちより上高地に詳しくなれるのかい？
ケンカ売ってるんかい！

なんてセリフをぐううと十二指腸あたりまで飲み込み
笑顔で
ここが重要
笑顔で

なんとかできる範囲で有益な情報を与えようと奮闘するわけですね。

で、いかにも見てきたようなことを言ったりすることもあるわけで。

そんなわけで

上高地といえばニリンソウ
皐月、水無月といえばニリンソウ
訪れるみなさんの関心もニリンソウ
だけど、いまのところ徒歩１０分以内にはおそらく咲いていないニリンソウ

そんな、ワタクシの目の前に、このにっくきニリンソウめが現れるまでは
「知らぬ存ぜぬ」と、「教えたい教えたい」の気持ちの中間
「知ったかぶっちまえ～」
で、乗り切るしかないわけですな。

そんな毎日の生活です。

明日はなんとか早起きして明神池まで・・・

・・・無理だな、現時点でのアルコホール量じゃあ。 

さっそく

猿熊も　虫鳥蛙も浮かれ出づ
開山祝うは人のみにあらず


・・・蛙はもうちょい先の話かな。

まあ、先日２７日、大雪の日に行われた上高地開山祭。
いよいよシーズンの幕開けというわけなのですが
その翌日２８日の夜
さっそく出っくわしましたよ。
ヤツに。

まあこっちは車の中だったので
何事もなく済んだのでしたが

ヘッドライトの光芒のなか
どっどが　どっどがと
足音も聞こえそうなくらい近くを駆け抜ける黒いカタマリに

ちょっとばかし魂を抜かれる思いがしました。

春先からこれですもん。
この先が思いやられますな。

はぁ、くまったくまった。

季節はずれもいいところ？

一夜にて　グレイスケール化せし森の
卯月を語る　若芽の温み

今朝起きてみると、外は真っ白。
霧や雲ではありません。

雪です。

地面だけではなく
木々の葉や、向かいの岩壁も白。
空中でさえ
降りしきる雪の粒で、見通しが利かないほど。

早速カメラを手に、強風の中をお散歩します。

冬に逆戻りしたような森の景色の中
しかし着実に芽吹きつつある木樹の芽の色が
ほんのりと朱にそまり

まあこんなこともあるさ
こう見えても、本当は春なんだよ、と

目を丸くする観光客に言い訳していました。

始まる

歩み出で　足元見えぬ暗闇に　耳そばだてる　谷底の夜

さあ、今年も始まりました。
山の生活。
とはいえ、上高地にはまだ多少の明かりはあるのですが、
それでも自分の目が、まだ山仕様になっていないことを忘れていました。
一歩踏み出して
足を下ろす場所がとっさに見つからず
うろたえて立ち止まると

風の音、せせらぎの音、
空気のにおい

さて
これからはそんなふうに生きてゆくのです。

年月は色を重ねて

春ごとに　色　降らすらし　花の下
廃車に丹き錆の降り積む

本日のお散歩、ていうかドライブね。
いわゆるひとつの
ドライヴ。
（ちゃんと下唇噛んでね）

生坂村と池田町の間にある峠道を登っていると
いつしか桜の森の谷にいました。

４０年物は確実な、ダイハツのオート三輪が
元の色も分からぬほどにさび付いて
その一つ目で、桜の森を愛でていたのが印象的でした。



この数時間後
我々は、糸魚川でスシ喰ってました。
なんともまあ、脈絡の無い。