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葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま  このブログのシステムもよく理解できぬまま、 勢いで始めてしまったブログ。
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0935時、2565.4m三角点を出発。

R0012402.JPG道の向こうに見えるは涸沢岳。
その懐の涸沢まで、道は一直線に続いている・・・わけではなく、この先ルートは、コークスクリュー状態でひねりこみながら下ってゆきます。
 
1000時。
屏風のコルに戻り、涸沢へ向け再出発。しばらくはナナカマドの紅葉が美しい尾根筋を進みます。

やがて道は尾根筋を離れ、トラバース区間に入ります。
1/2.5万地形図上では、「がけ」の表示がびっしり連なる中を縫うように表示されている道です。










ここまでの力任せの急登とは違い、頭上の落石、足下の滑落と、ちょっとばかり緊張を強いられそうな区間なのでありますが、だからといってよそ見をするなというのが無理なくらいの絶景がこの先続くのかと思うと、日頃の我が身の集中力のなさが、些か心配になってきたりするのでもあります。

とはいいつつも、このあたりではまだ口を開けてよそ見をしている余裕もあり、先ほどまで立っていた2565.4m三角点のピークを仰ぎみたりもできるというわけです。

R0012437.JPG
























それにしてもあの三角点ピークはあんなにトンガっていたのか。
道理で景色がよかった訳だ。

R0012447.JPGこの先は本格的に、なかなかイヤらしいところが続きます。
ここを下るわけなのですね~、はぁ。

ま、とりあえずがんばれおばちゃん。



あの岩の出っ張ってるところ、道幅何cmくらいあるんだろ。

R0012449.JPG



 









R0012459.JPG 
なかなか素敵な眺めです。

画像中央の男性の足下に見える梯子がなければ、彼は人生を思い余って絶壁の縁に立っている人のように見えたことでしょう。



























1100時。
ようやく涸沢到着。

R0012467.JPG
























パノラマコースの涸沢側入り口到着。
入り口から見ると、なんてことない山道に見えるパノラマコース。
しかもこんなにでかでかと表示されちゃあ、行って見たくもなるというものですが、実態は上記のごときヤな場所連続です。

さあ、画像右上に見えるあの小屋まで辿り着けば、シュワシュワと白く泡立つ、黄金色した不老長寿の秘薬が待っているわけです。

えっと、最後まで行こうと思ったんですが、どうにも眠い。
今日はこれにて。

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みなさまこんばんは

滞りがちとはいいつつも連載中の涸沢編の最中ではございますが、ちょっとご報告を。
いらしていただいて「お」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、そのとおり、ちょっとブログをいじくって見ました。

ブログをはじめてもうすぐ1年、あし@に登録してからは7ヶ月ちょっと。
そろそろ写真と文章、時々ヘタンカ(ヘタ+短歌)というブログの方向性も固まりだし、11月末以降にはブログのリニューアルも考えていた矢先、ブログ「どこかの秘密基地」を運営されておられるcyahさん(ワタクシは親しみを込めて、勝手に’ちゃーさん’と表記させていただいてますが)より、「もうちょっと大きいサイズのサムネイルを・・・せっかくのよい写真がもったいない」といった趣旨のコメントを頂戴いたしました。

ま、上記のとおりリニューアルを予定していた矢先ではありましたもので、「ま、ちょっとまっててね」的なレスをお返ししたのですが、頂いたコメントの後半部分「せっかくのよい写真・・・云々」の部分に、ワタクシ非常に気をよくして舞い上がってしまいまして、とるもとりあえず、本日涸沢連載をupするために取っておいた時間を使って、改造してみた次第なのであります。

でもいろいろムズカシイですね。
なんだかよくわからないんですが、同じサイズでUPした画像でも違うサイズで表示されたり、文章の段組がめちゃめちゃになったりして・・・。

とりあえず最近のものに関しては一応の修正はしてありますが、遠い過去のものに関しては追々手を入れていくつもりです。
だいぶ以前の記事をごらんになった方、眉をひそめるのはもう少しお待ちください。

さて、涸沢編のクライマックス、明日にはアゲます。

♪俺は明日にはUPする 多分UPすると思う UPするんじゃないかな?
  ま、ちょっと期待はしないでね!(さだまさし「関白宣言」のメロディで歌って下さいね)
 

0900時。屏風のコル到着。

今回はこれといった山の頂上を極めない、ワタクシ好みの「山頂なき山旅」だったわけですが、思いのほか行程がはかどって時間が余ったので、ちょっとだけ山頂チックなところに寄り道をしてきました。

「2565.4m三角点」
屏風のコルから涸沢へ続く本ルートから北方へ延びる脇道をたどると「屏風の頭」なる地点に辿りつくわけなのですが、その中間点にあたるのがここです。往復40分程度の寄り道となります。

そこからの景色。
R0012386.JPG
























右から北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳。それらに囲まれて、錦の反物を延べたように見えている谷間が、目指す涸沢カール。
カールとは、太古にここに存在した氷河がえぐり取った、半お椀状の地形のこと。

以上、状況説明終了。
あとはこの景色を前に、もはや言うべき言葉がありません。

サムネイルだけでなく、ぜひ画像をクリックして大きくしてご覧ください。

次回、なめたらアカン、トラバースルートを経て涸沢へ。

0645時、奥又白池との分岐点を出発。

R0012273.JPG






























振り返れば明神。
上空の雲が、この先いやな感じに変化していかないことを祈りつつ、そろそろきつくなりだした勾配を、時折手も使いながら登ってゆきます。

ここまでの長いアプローチの間に身体が充分にこなれたのか、まったく登りが苦になりません。ちょっと傾斜がゆるやかになると、走ったりする余裕もあるほど。
ま、今回はたったの5~6kg程度の荷しか背負っていないので、余裕があるのは当たり前なのかな?だけど、ほぼ1年まともな登山から遠ざかっていた身としては、自分の体力がそれほど衰えていなかったことがわかって、とてもうれしかったわけなのです。

R0012294.JPG






























慶応尾根のコルと推定されるあたりに到着。0745時。
ここは森の中。周囲は緑と黄色の世界です。
そのなかで、鮮烈に赤い色が目に飛び込んできました。これは何の実だろう。

そういえば、ここに来るまであまりに周りの景色に圧倒されすぎて、足元の小さきものたちのことが全く見えずにきてしまったなぁ、なんて思いつつパチリ。


神様は足元にも宿る、だけどついつい分かりやすいものに気をとられて、足元がおろそかになっていた、そんなワタクシへの赤信号。しばし止まって休憩。
初めて水筒のふたを開けます。

R0012295.JPG






























さて出発。
もうなんていうのか、目に映るもの、頬をなでる風、落葉枯葉のにおい、風に騒ぐ木々の葉の音、靴底を通して感じる石ころや木の根、どれも全てが素晴らしく感じます。

R0012346.JPG






















木々の間に見えるV字型の青空に、峠の存在を感じました。あと一登り。

R0012348.JPG






























天頂で藍に染まれり空の青
    
  登るわが身も染めなおさるる  
                                                                                                                                                                             R0012350.JPG



























 


目指す最高地点「屏風のコル」が見えてきました。
コルとは、山の稜線を馬の背に見立てた場合、鞍が置かれるべきいちばん低い地点のこと。「鞍部」ともいいます。

上からは続々と涸沢からの登山者が下ってきます。
実はこのパノラマコース、傾斜が急なためか、登りよりも下山ルートに使う方が一般的です。ただ、ワタクシは急な下りで身体を制御するのが苦手なゆえ、登りルートに使ったという事情。実は膝が弱いのです。
上から下ってくる方々が、この先の激下りで味わうであろう苦労を考えるとため息が出てきますが、すれ違う中高年の方々は皆元気一杯。

日本の元気は、おじちゃんおばちゃんの膝から産み出されているのです。



さて次回、「その先の景色」をご披露いたします。
 

0600時 パノラマコース分岐を出発。
手元の2.5万図上では、二条線で表される道路としては一番細い「幅員3.0m~5.5mの道路」とされる道が、しばらく奥まで続いていることになっています。おそらく並行する沢に設けられた砂防堰堤を建設する際に敷設された道路なのでしょう。
実際に歩いてみると、堰堤群竣工の後は車両の通行もほぼ途絶えていると見えて、実効幅員は2.0m程度にまで狭まり、路面も車道と呼ぶには憚られるほどに荒れていましたが、それでもまだ、日本が世界に誇る最強のオフロード車、軽トラがなんとか通行できる程度の道は確保されていました。

R0012193.JPG
































すこし進むと、森に隠されていた行く手の山が見え始めました。
朝日が当たって、燃えるように輝いています。
「モルゲンロート(morgenroth)」と呼ばれるものです。
モルゲンは朝を意味するドイツ語。グーテンモルゲンといえばドイツ語のおはようのことですが、そのモルゲンです。
ロートは目薬のこと・・・ではなくて、赤を意味するドイツ語です。

日本のアルピニズムはその発展過程において、ドイツ、フランスの影響を多く受けていますので、登山用語にはそっち系の言葉が多いわけなのですね。


R0012216.JPG










しばらくは気持ちのよい道が続きます。
この先に待ち受ける激登りに想いを馳せつつ、身体を慣らしていくのです。

















R0012223.JPG
























おおっと!
いきなりすんごい紅葉の森が現れました。
なんかもうこれだけでもいいや、という気になりました。
なんていうか、前菜に300gのステーキが出てきたような、ウェイティングバーで食前酒と一緒に特盛牛丼が出てきたような、いったいこの先どれだけご馳走攻めに遭うのだろうと、ワクワクした一瞬なのでした。

R0012225.JPG
































少し先にはケルンが現れました。
ケルン、という言葉もどうやらドイツ語らしいのですが、ドイツにある有名な都市ケルンとはつづりも違うし、まったく関係ないらしいです。

このケルンは、井上靖の小説「氷壁」の題材となった実際にあった事件、「ナイロンザイル切断事件」の犠牲者であるクライマーの墓標です。
我々にとっては、道しるべ、という意味合いが強いケルンという言葉も、ゲール語源あたりまでさかのぼると「墓標」という意味になるという話を聞いたことがあります。

R0012240.JPG
































徐々に傾斜がきつくはなるものの、まだまだ序の口序二段三段目、十両までにも達しません。
撮影しながらゆるゆると、いつのまにやら分岐点到着。
0645時。

まっすぐ進むと奥又白池ですが、ここは手前の岩の赤ペンキ先生の指示に従い右折、涸沢へと進みます。

酔いも回ってきましたので、本日のお話はここまで。

ちょっとだけ次回の予告をかねてこの付近の紅葉画像をば・・・・
R0012253.JPG
























次回を剋目して待て。
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