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葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま  このブログのシステムもよく理解できぬまま、 勢いで始めてしまったブログ。
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松本市内某100円ショップにて

周囲の喧騒、というほどでもありませんが、BGMやらなにやらの雑音の中に、なにかひとつのパターンを持った人間の声があることに気付きました。

いらっしゃいませーーーーーーーー

でトーンを上げて、そのあとたっぷり4拍分は伸ばしていると思われる「いらっしゃいませ」。

声の主の彼女は品だしをしながら、独り言のようにこれを繰り返しているのです。
初めて聞いたタイプの「いらっしゃいませ」です。

おそらくその店舗では、店長、もしくはスーパーバイザー(ひいては経営側)の方針で、周りにお客様がいる時は「いらっしゃいませ」を繰り返すような指導がなされているのでしょう。

彼女としてはその指導方針を、「ばかばかしい、いらっしゃいませなんて、お客様が入ってきた時に言えばいいことなのに」ぐらいに思っていて、だけど業務命令なのでまじめに遂行している、その心理的な落差のところのつじつまを合わせようとする無意識の調整の結果、それが異様に長い語尾という形で表出してしまっているのではなかろうかと、ワタクシとしては何の根拠もない憶測を試みてみたりするわけです。

でも聴いていると単純に面白いのです。
もしかしたらこれは単なる気のない「いらっしゃいませ」よりもよほど良いのではないか、彼女の抑圧されたホスピタリティはエンターテインメント性という形で昇華したのではないか、ワタクシはそんな稀有な例に遭遇したことを喜ぶべきではないか。

うっかりそんなことを思い込むところでしたが、5分も聞いていると飽きてきて耳障りになってきました。

やっぱりさ、「いらっしゃいませ」はお客様の目を見てさ、にっこり笑って言ってこそお客様も気分いいし、自分も義務感とか関係なくいられるので疲れないし、傍からみてても絵になるよ。

そんなことを思った休日でございました。
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