葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま
このブログのシステムもよく理解できぬまま、
勢いで始めてしまったブログ。
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良薬は味苦くして目に甘く 手に採りがたし 高嶺の竜胆
先日西穂に登った際の一葉。
この「トウヤクリンドウ」。
ワタクシの好きな緑色系の花の中でも、特に好きなものです。
漢字で書くと「当薬竜胆」。
「薬」に「当てる」から「当薬」
だと思っていました。
がしかし、
調べてみるもんですね。
「当薬」とはセンブリのことで、同じくとても苦いので、
このカンムリがついているとのこと。
そもそも「竜胆」自体も、
竜の胆のように苦いという意味だそうで、
「当薬竜胆」だなんて、いったいどれだけ苦いんでしょうね。
しかもこれは本当に高いところにしか咲かない「高嶺の花」。
これを見つけたのは、西穂独標(にしほどっぴょう)という、
2700mくらいの小ピークの手前あたり。
目指す西穂高岳(2909m)は、まだもう少し先なのですが、
これを見てしまったので、もう満足して、
もうここで引き返そうか、と思ったくらいのうれしさでした。
でもここで引き返してしまっては、
地獄の針山、針千本、痛い怖いのマゾ極楽を味わえないわけですから、
(2つ前の記事を参照してね)
当然、前に進みましたよ。
※
このトウヤクリンドウをふくめ、
高山植物にこの目を向けさせてくれた、八方尾根の花のエキスパート。
山で、白馬の街で、出会うたびに、
質問をするワタクシに笑顔で教えてくれた、
ワタクシが勝手に師匠と思っていた方が、
つい先日、他界されました。
日本海で水死されたのです。
あの人懐っこい笑顔が、
もう八方尾根で見られなくなってしまいました。
山で会うあの花も、この花も、
多くは彼から教わったり、彼が監修した図鑑で覚えたものです。
・・・・・・・・・
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
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