葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま
このブログのシステムもよく理解できぬまま、
勢いで始めてしまったブログ。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
呼ぶいのち 応えるいのちを繋ぎたる ザックを称え 花は寄り添う
本日午前中は、行方不明者の捜索に出ていました。
当地に棲息する我らが同類(・・・のなかでも大先輩)の一人が、
前日山に入ったまま消息を絶っていたためです。
相当に山慣れした人でしたので、まったく信じられない話でした。
そして本日早朝。
入山したと思われる地点を絞り込み、何隊かに分かれて捜索を開始しました。
ワタクシの隊は、その山域を熟知した古豪二人と、県警山岳警備隊員の方二人。
及びペーペーのワタクシ。
樹林帯の、かなり急峻な尾根を登りつめ、
無線を使ったヘリとの合同捜索でも手がかりがつかめず、
悪い想像ばかりが膨らむ中、
「アイツならあそこにいるはずだ」と、
「壁」と呼ぶに近い斜面の下を指さした古豪二人。
この下なら、谷沿いを進む隊の担当区域だろう、
と思っていると、
古豪たちは、ヒョイヒョイとその急斜面を下ってゆくではないですか。
ええええええ!?マジですか?
と思いつつ、ワタクシも肝を冷やしながらその斜面を下り、
出た沢を登った先の涸れ滝の滝壺、
要救助者は、まさにそこにいました。
もちろん、生きてましたよ!
大分酷い怪我でしたが。
それにしても古豪二人の勘の鋭さといったら。
30分後。
幅10mもない沢の上空にピタリとホバリングしたヘリのホイストに
(見惚れてしまうテクニックでした)
要救助者は吊りあげられ、病院へと運ばれました。
※
この時期にしては暖かく、雨も降らず、穏やかな夜だったこと。
捜索区域を絞り込むことができた、唯一の目撃証言の存在、
数々の幸運が、彼の生還につながりました。
下山後、古豪の一人が、警備隊員の方に言ったひとこと。
「最高の答えを出して頂いて、ありがとうございました」
「最高の答え」
間違いなく、この日の出来事を表現する、最高の言葉でした。
※
画像は発見現場にて。
花は、秋の麒麟草(黄)と大文字草(白)、たぶん。
青いザックは、我々をサポートしてくれた、県警山岳警備隊員の方のもの。
この青いザックを頼りに、ワタクシは必死で後について行ったのです。
ヘリを待つ間、落ち着いてあたりを見回せば、
垂直の岩に囲まれた狭い沢には、
たくさんの秋の花。
なんとなく
彼を生還に導いた数々の幸運は、
偶然ではなかったのだな、と思いました。
PR