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好まれぬ 土地なればこそ 空広く みどり明るき からまつ萌ゆる
昨日の話
宿直明け休憩を利用して、岳沢の途中まで登ってきました。
シラビソ、コメツガ、イチイ・・・?
たぶん、そんな感じの樹木が鬱蒼と茂る森の中を、小1時間ほど登り
ようやく開けた場所に出ました。
石ゴロゴロの、水のない沢状の場所で
樹木はまばらにしか生えていません。
従業員食堂からくすねてきた食パンを食べながら
ぼおっとしておりますと
登り口からここまでの道のりではあまり出会わなかった
落葉松の若木と目が合いました。
そうそう
カラマツは、こんな感じの、
あまり他の植物が好まないような荒れ地に根付くのだったな。
そして林を作り、土地を整え
やがて、進出してきた後発の樹木たちに主役をとって代わられる
そんな運命の樹木だったよな。
割に合わないよね、キミたち。
・・・なんて思わず口を滑らせたら
ちっこい落葉松の若葉たちは大笑い。
やつらの言うにはこうだ。
あんな辛気臭い暗い森の中で、ゆっくりゆっくり年をとるのと
この広い空の下で、おひさまの光をいっぱい浴びて
ロケットのように空目指して伸びてゆくのと
どっちが恵まれた境遇かい?
うーん
ワタクシは木ではないので、どっちがどうとは言えないけれど
ただ、薄っぺらい知識だけで
いい加減な同情をしてしまったことが
恥ずかしくなってしまいました。
それに・・・そう。
こやつらは、秋になると、一本一本が細かい針のような落ち葉となって
どこからともなく屋内や車の中に侵入し
カーペットに張り付き
掃除機でも取れない、コロコロでも取れない
とってもタチの悪い、お掃除の大敵になるのです。
それを忘れていました。
確かに、同情なんてしてやる奴らではありません。
でもそんなこと忘れるのも無理はないほど
落葉松の若葉たちは
とってもかわいい。
いずれクソジジイ、クソババアになり果てるとはいえ
今だけの輝きを放つ彼らを、うっとりと眺めていた
クソジジイ予備軍の
ワタクシなのでした。