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葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま  このブログのシステムもよく理解できぬまま、 勢いで始めてしまったブログ。
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井伏鱒二の小説に「白毛」というものがあります。

主人公が釣りをしていたら、釣り糸の代わりに白毛を使ったほうが具合が良いという結論に達した青年達に、よってたかって白髪をむしられるという、まことにひどいお話で、たしか最後は下ネタで締めくくられていたはず。

というわけで本日のお題は「白髪」。

ワタクシ、若い頃からいろんな人に出会いまして、一つ達した結論がございます。
「オレはこんな苦労をしてきた」なんて声高にいう人は、実は言うほどの苦労はしていないんじゃないかと。
表向きニコニコしてたり、ヘラヘラしてたり、ヌボーっとしてたり、飄々としていたりする人に限って、よくよく話を聞いてみると、味の濃い人生を送っていたりする、そんな人たちが経験してきたのが、変な言い方ですが「本物の」苦労なのではなかろうかと。苦労は人知れずしてこそ本物。

言わずとも 背中で語る 幾星霜
・・・そんな感じの漢になりたいと思いつつ、でもえへらえへらとなんとなく過ごす毎日。

ところでワタクシは、年齢より若く見られることが多々あります。
喜んでもいいのかもしれませんが、結果、損をしているなあと感じることも多く、複雑な気分です。
先日も実家の母上に言われてしまいました。
「そのトシで白髪の一本もないなんて、苦労が足りてないんじゃないの」

「苦労が足りてない」それは確かにその通りでありましょう。
でもね、母上。「白髪の一本もない」とは、それはまったくの間違いですよ。

2年ぐらい前でしょうか。
ある日、鼻腔の発掘調査をしていると、なにやら出土品の中に、細かい魚の小骨のようなものが突き出ているのを発見いたしました。研究室にて分析してみると、それは白いハナゲであることが判明。
あわてて鏡を覗き込んでみると、いつの間にそうなったのか、鼻の穴の中が真っ白。

なんと、ハナゲだけはロマンスグレイの渋いオヤジになっていたのです。


・・・違う。

何かが違う。

たしかに、人知れずにじみ出る苦労のあと、みたいなものには憧れていましたよ。
でもそれは例えば、口元のちょっとした皺とか、背中ににじみ出る雰囲気とか、そういうダンディなものを考えていたのであって、こんなネタ的なものが欲しかったんじゃないやい、神様。

言わずとも ハナゲで語る 幾星霜

はぁ、ワタクシの人生、どうしてこんなんなんでしょう。

それにしても鏡の前で、鼻の穴をおっぴろげて中を検分している光景は、傍から見ればさぞや滑稽であったことでしょうな。
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それはそれは…!
初めまして。カキコありがとうございました♪

私の故郷、お笑いたこ焼き星でそのような現象の事を
『笑いの神がおりる』
と、申します。
誠にうらやましい限りでございます♪
ぴぎ URL 2008/05/07(Wed)11:40:53 編集
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