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葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま  このブログのシステムもよく理解できぬまま、 勢いで始めてしまったブログ。
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お待たせしました。
さあ行きますよ、本編。

R0017608.JPG

今日もまたいつもと同じ道を往く いつもの山は朱(あけ)に輝く


槍ヶ岳

この谷の奥のそのまた奥にあり、
前を流れる川の源にあって、
いつか訪ねんと思いつつ、
いつでも行けるさとタカをくくり、
でもいざとなると、
我が身の気の多さが災いし、
後回し、後回し。

そんな巡り合わせだったこの山が、今、
この足が踏むこの道の、果てにひらりと天を突き、
北鎌西鎌東鎌と、翼の如く尾根広げ、
この身この足、その頂に達することがあるならば、
鳳凰の姿をしたるこの山は、
あるいは星の彼方まで、我を連れ去る仕度して
連なる山のその奥に、
凝っとそのときを待っているのです。

でも今は早朝。午前5時。

歩いているのは、まだ歩きなれた、いつもの区間。
いつものように、左には明神岳が朱に染まり、
少し東の地平には、もうすでに、朝日が昇っていることを教えてくれています。

R0017610.JPG

 7:20 横尾到着。
久々のテン泊装備の重荷の割には、いいペースです。

この吊橋を渡れば、涸沢への道です。
だけど今日は、この橋は素通りして直進。

 
R0017640.JPG山を歩いてうれしいのは、こんな湧き水。

飲む、水筒に補給、顔を洗う。

すべての行為が、
癒しと活力につながっていきます。


湧きいずる 清水の前に跪き
身を清めれば ここからは 山


余談です。
この水筒、プラティパスというんですが、
ワタクシの持ってる旧型は、名前のとおり、
カモノハシ君マークがついているんですが、
最近のは、Platypusって文字だけになってるんですよね。カモ君マーク可愛いのに。
買いなおすことのないよう、大事に使っていこうと思っているわけなのです。



R0017630.JPGR0017648.JPG


さて、道端のお花のご紹介。
(よく撮れていなくてすいません)

左 キツリフネ
「黄釣舟」と書きます。名前のとおり、花がぶら下がってます。
中央部の斑点は、蜂を蜜まで導く案内表示の役割を、
下に広がる大きな花弁は、蜂のための足場の役割を、
それぞれしていると言われています。
見上げた顧客第一主義には、ただ感心するばかりです。

右 センジュガンピ
「千手岩菲」と書きます。
あ、ナデシコだ、と思ったとおり、ナデシコ科の可憐な花です。
名前の由来は・・・よくわかんないや。

さて、横尾を過ぎて、しばらく歩きますと、
「槍沢ロッヂ」という山小屋にたどり着きます。
ここで、一瞬だけ、槍がその姿を現します。
こんな感じで。

R0017666.JPG


手前の物体は、山小屋が設置してくれている望遠鏡です。

そうです、そういうわけなのです。
この望遠鏡の接眼部に、我がGX100を当てて撮った写真が、
予告画像その1、というわけなのです。

ちなみに、予告画像その2も、この槍沢ロッヂに掲げられてあったもの。

ヤリに向かって飛んでゆく我らミツバチに対して、
槍沢ロッヂの配慮は、まさに黄釣舟並み。すばらしい。
雰囲気も良さそうな小屋です。
いつか泊まってみたいですね。

というわけで、「序」はここまで。
次号、刮目して待て。
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伝へむとするこころさへ 麦酒やら米酒にまぎれ 霧と消ゆ夜


いやはや
宿直勤務明けの本日より、槍山行記を記そうかと思っていたのですが、
意のままにならぬは世の理。

麦酒処理業務やら米酒処理業務やら、
大変な残業を課されてしまいまして、
本日はもう気力の残存がございません。

ちゅうわけで、
万が一、待っておられる方がいらっしゃるようでしたら、
もうちょっとまってね。

ほんと、スミマセン。

で、予告画像その2
「ヤリへの道」
1b7270c6.JPG
下山当日はほとんど息絶えてましたので、
ご報告が遅れてしまいましたが、
無事、ヤリから降りてきました。

この、無事、というのが大事なところで。

本日は奥穂~西穂間にあるジャンダルムと呼ばれる岩峰で、
遭難救助中のヘリが墜落、
三人が死亡。

先日、行方不明者捜索に出た際、
ローターブレードが接触するのではないかと思うほど、
斜面ギリギリに近寄って捜索するヘリを見た後だけに、
いろいろと思うことがありました。



自分が危険だと感じる場所は、
救助に行く人間にとっても危険であるということ。
その場所で救助を呼ぶということは、
他人を危険に巻き込むということ。

そして、危険に巻き込まれることを承知で、
山に行く我々を見守り、
来てほしくないその日のために、
日々訓練をし、警戒してくれている救助隊員の方々がいるということ。



山で事故を起こさない最高の方法は、もちろん、
山に行かないこと。

でもそれでは、山を知り、山を愛しながら、
救助活動に身を挺している方々の苦労に報いることにはならないでしょう。

無事に降りる。

この一念がすべて。
それを実行することがすべて。

改めて、心に刻むべきと思いました。



さて、
次回から、何回かシリーズで、
「高嶺の花と槍地獄 痛苦の悦楽調教(総天然色 成人作品)(仮題)
をお送りしたいと思っております。

・・・が、ちょっとだけ予告画像。

ちょっとだけよ。

23af9bbf.JPG

なぜ縁が丸いのか、
そのあたりも含めまして、乞うご期待。
ヤリ行ってきます。

まあいろいろあったあとなので、
会社から許可出るか心配でしたが、以外になんなくクリア。
これだったら、当初の計画通り、
穂高縦走&ジャンダルムリーでも大丈夫だったかも。
まあいいか。

明日早朝発の、テント1泊です。

まあいろいろあったあとなので、
みんな心配してくれましたが、
そのわりには
呑まされたぞ
ていうか、呑んだぞ。

天空を突く槍に向け 心のみ あるこほる点火 先に飛び去る

では行ってまいります。
d1613ddc.JPG

呼ぶいのち 応えるいのちを繋ぎたる ザックを称え 花は寄り添う


本日午前中は、行方不明者の捜索に出ていました。
当地に棲息する我らが同類(・・・のなかでも大先輩)の一人が、
前日山に入ったまま消息を絶っていたためです。
相当に山慣れした人でしたので、まったく信じられない話でした。

そして本日早朝。

入山したと思われる地点を絞り込み、何隊かに分かれて捜索を開始しました。
ワタクシの隊は、その山域を熟知した古豪二人と、県警山岳警備隊員の方二人。
及びペーペーのワタクシ。

樹林帯の、かなり急峻な尾根を登りつめ、
無線を使ったヘリとの合同捜索でも手がかりがつかめず、
悪い想像ばかりが膨らむ中、

「アイツならあそこにいるはずだ」と、
「壁」と呼ぶに近い斜面の下を指さした古豪二人。

この下なら、谷沿いを進む隊の担当区域だろう、
と思っていると、
古豪たちは、ヒョイヒョイとその急斜面を下ってゆくではないですか。

ええええええ!?マジですか?

と思いつつ、ワタクシも肝を冷やしながらその斜面を下り、
出た沢を登った先の涸れ滝の滝壺、
要救助者は、まさにそこにいました。

もちろん、生きてましたよ!
大分酷い怪我でしたが。

それにしても古豪二人の勘の鋭さといったら。

30分後。

幅10mもない沢の上空にピタリとホバリングしたヘリのホイストに
(見惚れてしまうテクニックでした)
要救助者は吊りあげられ、病院へと運ばれました。



この時期にしては暖かく、雨も降らず、穏やかな夜だったこと。
捜索区域を絞り込むことができた、唯一の目撃証言の存在、
数々の幸運が、彼の生還につながりました。

下山後、古豪の一人が、警備隊員の方に言ったひとこと。
「最高の答えを出して頂いて、ありがとうございました」

「最高の答え」
間違いなく、この日の出来事を表現する、最高の言葉でした。



画像は発見現場にて。
花は、秋の麒麟草(黄)と大文字草(白)、たぶん。

青いザックは、我々をサポートしてくれた、県警山岳警備隊員の方のもの。
この青いザックを頼りに、ワタクシは必死で後について行ったのです。

ヘリを待つ間、落ち着いてあたりを見回せば、
垂直の岩に囲まれた狭い沢には、
たくさんの秋の花。

なんとなく
彼を生還に導いた数々の幸運は、
偶然ではなかったのだな、と思いました。
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