葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま
このブログのシステムもよく理解できぬまま、
勢いで始めてしまったブログ。
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地に得たる よろづの力伝えむと ただ イノチガケ 立ちつくし居り
「命がけで突っ立っている死体」という言葉。
言葉だけが耳に残り、どこで聞いたのか、誰の言葉であったのか定かではありませんでした。
わからないものがわからないままで続いていく、そんな状態も心地よくて好きなのですが、この言葉にはそんなユルい哲学(・・・ええ、テツガクですが、なにか?)を許さない緊張感を感じました。
で、追い立てられるように調べてみました。
ただし、最近のTVコマーシャルみたいに「イノチガケ 検索」みたいなお気楽な方法で。
土方巽
日本の芸術界が世界に誇るもののひとつ、暗黒舞踏。
最近はただ単に「舞踏」とのみ言われることの多い、ほぼ全裸、全身白塗りスキンヘッドの、奇妙奇天烈な、踊りというのも憚られる身体表現のことです。
その舞踏の創始者である土方巽の言葉だったのです。
白馬村民であったことのあるワタクシにとって、暗黒舞踏は夏の風物詩でありました。
なぜなら、麿赤兒率いる大駱駝艦という舞踏劇団の公演が、毎年白馬で行われるからです。
ワタクシも一度観にいったことがあります。
ゲテモノを見に行くぐらいの感覚で出かけていったのですが、圧倒されました。
(・・・この先、暗黒舞踏についての想いを書き始めたのですが、どうにもこうにもまとまらず、ただダラダラと長くなっているうちに自分でも論旨がよくわからなくなり始め、もう夜も遅いし、という身体の声に屈して、以下割愛。いずれちゃんと書ければいいな)
ま、閑話休題、いや、この先が閑話である可能性が高いですね。
さて、この鉄塔。
我が家の背後の葡萄畑に満ちた谷の奥に立っています。
重い四導体送電線をしっかり掴み、山の上の仲間に引き継いでいます。
この鉄塔が、前後の仲間と違う点があります。
それは、彼がまっすぐなラインの一部を請け負っているわけではない、という点です。
彼のところで送電ラインは屈曲しています。
ピンと張ったラインの屈曲点を受け持つということは、それだけ水平方向に特殊な力がかかっているということです。その特殊な加重に耐えるため、彼の片腕は長く延長されています。おそらく土台も厳重な補強がされているのでしょう。それに加えて、谷底にいる彼の身体には、垂直方向の加重もかかっているはずです。
このあたりではもっとも過酷な任務についている鉄塔、ということがいえます。
イノチガケ、という言葉が自然に浮かんできたのです。
みんな同じように見えている鉄塔でも、こういった個性やら境遇やらを見つけることができると、とてもうれしくなります。
ね、明日から鉄塔見物に出かけてみよう、って気になったでしょ?
え?ならない?
おっかしいなぁ。
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