葡萄畑の傍に庵を結び、日々徒然なるまま
このブログのシステムもよく理解できぬまま、
勢いで始めてしまったブログ。
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あぶらたの蔵の小路に風は吹く 白黒変わる 時代を越えて
松本城裏手から信州大学付近にかけての一帯には、古い住宅街が広がっています。
江戸時代の武家屋敷の門構えが残っている家もあると聞きます。
もちろん、現代風の建物もたくさんあるのですが、
道の狭さと緑の多さ、
そしてまだまだ現役の蔵作りの建物たちが、
このあたりの町並みに、雅味を添えています。
そんな風情のあるこの地区ですが
その一角に、この小路はありました。
入り口に小路の名を記した石柱が立っています。
「常法寺小路」
石柱は、江戸時代の古い町名を今に伝えようと、近年設置されたものです。
おかげで、現代の町並みの中に、ひょっこりと顔を出している
江戸時代に気付くことができます。
お散歩好きにはうれしい配慮。
松本市の粋な計らいです。
それによると、この常法寺小路、入り口にある家の屋号をとって
別名「あぶらた小路」とも呼ばれていたそうです。
漢字で書くと「油太小路」
丁稚どんが油売ってるようなイメージがあって、なかなか気に入っています。
さて、小路にはいると、片側の黒壁の土蔵に圧倒されます。
小路に向かって開いている窓の列が、
黒壁の重厚感のために、昔の戦艦の舷側砲門のようにも見えてきます。
そして、小路の反対側の蔵は、白漆喰のなまこ壁。
この対称さが、あぶらた小路を忘れがたいものにしてくれていました。
でも実は、入り口にある蔵は、
松本の街中ではあまりみかけない、土壁の土蔵で、
わずか数十メートルの長さとはいえ、
3種類の壁が並ぶ、なんとも贅沢な空間なのでした。
※
撮影を終えて帰ろうかというときに聞いた、
通りがかりの高校生たちの会話。
「おれ、卒業したら一人暮らしして、マンションに住みたいな」
それもまた、時代。
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